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121019 OZ邸引渡
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OZ邸が引渡されました。10坪弱の敷地に建つ木造3階建て。1階はアートイベントを企画しているOZさんのオフィス。2階が寝室と浴室、3階がLDKという構成です。
3階建ての住宅を設計して感じるのは、中間階である2階の難しさ。1階は接地していて、3階は空に近い。それぞれ特徴がはっきりしているので、デザインの方向性を定め易い。しかし、2階はその中間で性格がどうしても曖昧になりがちです。とくにOZ邸のように、プログラム上各階を分離する必要があると、「kap」のように階を相対化させる様な操作も難しい。
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1階のオフィスは街に開き、3階のLDKは空へ開く。OZ邸にとって欠かすことの出来ない条件です。テーブルの前のトップライトはスライドして全面開放されます。ここでの食事は空中でピクニックをしているような感じがするはず。
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しかし、私たちが最も設計に注力したのは2階の在り方でした。3階の道路側には垂直な壁がありません。これ、2階に1.5層分の高さを割り振った結果、道路斜線で切られているからです。2階を普通の階高に抑えておけば、3階はもっと大きなエアボリュームを得ることが出来ました。しかし、敢えてそうしなかったのは、2階を大切にすることが、住宅全体を良くするために絶対必要なことと思っていたから。良い場所を造るためにダメな場所は造らない、ということをいつも心がけながら設計をしています。小さなスペースが積層するOZ邸では、3層それぞれに特徴があって、階を上下するたびに場がクルクルと転回して行くような作り方がふさわしいと考えました。1.5層の2階はロフトが挟まった天井の低い部分と、1.5層の吹き抜けのような部分が小さく区切られ混ざり合った複雑な様相を作っています。天井がとても高かったり、とても低かったりするスケール感の変化と、小さく区切られたスペースを様々に抜ける視線の変化が、落着いた雰囲気が必要なプライバシーの高いスペースに、広がり感と非日常感をもたらしています。
といった感じで、言葉を重ねても伝わり難いですね。竣工写真ができたら改めてご紹介したいと思います。〈TAK〉
by komadakenchiku | 2012-10-19 12:38 | OZ邸
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駒田建築設計事務所/駒田剛司+駒田由香
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